「みんなでアジャイル」を読んで...

こんにちは。今回は「みんなでアジャイル」と言う本を読んだ感想等を書きました。
この本はアトラクタさんのプレゼント企画に当たったので頂きました。もう頭が上がりません。

 

 

こういうビジネス本を読むと、自分だったら...とかもしこんな状況だったら...とか、いつも変な方向に考えが飛んでいってしまうので、このブログを書くのは本当に大変でした^^; でもやることで新しい学びが得られた。

今回は本の内容よりも本を読んで疑問に思ったことを掘り下げているため、ここに書いている内容は本とは関係ないことが多いです。そして何よりかなり個人的見解が入ってます。読みながら、ここちがうんじゃないか?と思う方もいるかも知れません。そんな方は今度一緒に語りましょう。そうでない方も一緒に語りましょう。

  

 

読んだ感想

内容は本当にうまくまとめられていて、自分が、会社がどうあるべきかが書かれていました。でも、読み終わって最初に出てきた言葉は「難しい」でした。新しい扉が空いたとき(視野が広まったとき)って次にどうするかがよくわからなくなります。一歩踏み出す方法がわからない。どこから変えていったら良いのか。全力で行って良いのか、それとも慎重に行くべきか。方法は無限にあります。そういう意味で「難しい」と感じました。 「難しい」と気付けるということは逆に言うと、とてもわかりやすくまとめられているからじゃないかなって思います。

 

 

内容のまとめ

この本にかかれていることをざっくりと描いてみました。それが下の絵です。ちょっと見づらいところがあるかも...

 

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「みんなでアジャイル」というタイトルですが、アジャイルについての How to ではなく、アジャイルをする上での心のあり方が書かれていました。

まずアジャイルは目的じゃなくて目的に達するための手段の1つに過ぎない。本来の目的は顧客に価値を届けること。これを達成する手段の1つにアジャイルが存在していて、1つに特化せず、様々な(分野の)人と作り上げていく必要がある。だから「みんなで」アジャイル。また、顧客の価値も変動しやすいため、先がどうなるかは不透明。だから不確実であることを認め、それを踏まえて計画を練る必要がある。

こういったアジャイルを実践するために必要な要素がいっぱい盛り込まれていました。そして、今をより良くするために一歩前に踏み出すためのヒント(WHPI等)が書かれていました。

 

 

疑問

「みんなでアジャイル」を読んで、なるほどと思えることが多かったのですが、様々な疑問が発生しました。その中で最も大きかったのは、アジャイルをやってみたい(している)と思っているのにできていない状況はどんな心理が働いているのかということです。私は全然心理学を専攻しているとかではありませんが、自分だったらきっとこう考えるだろうなというものを列挙してみました。

 

適用ができないのは?

 本にはアジャイルは「手法」としてでも、「マインドセット」としてでもなく、「ムーブメント」として捉えることが重要だと書かれていました。つまり、アジャイルの価値と原則もやり方も自分(達)で考えてそのときに応じて適用させていく必要があるということです。

これは確かにな、と思いました。取り入れたもののすべてが自分(達)にとって良いとは限らない。時代の流れも大きく変動しているし、その時その時で価値が変わってくる。それは顧客も同じ。だから一番現場を知っている私達が考えていく必要がある。それはわかる。わかるんだけども、なぜそのための一歩を踏み出せていないのか。理由は大きく4つあるのではないかと考えました。

  • 楽したい
  • 怖い
  • できない
  • 気づかない
楽したい

省エネですね。何か新しいものを吸収しに自らが動く(やってみる)というのは少なからずエネルギーが必要です。そのエネルギーを絞り出すことがしんどいから嫌だ。今までのやり方が自分たちは一番わかっているから、わざわざそんなわけのわからないものに首を突っ込まなくても大丈夫。といった、守りの姿勢に入っているのではないでしょうか。
確かにエネルギーが必要ですが、こういった人たちは「自らが動く」ということにとんでもないエネルギーが必要だと考えているのではないかと考えられます。得られるものが大きければ大きいほど、実際は思っていたほど大変じゃなかったぞ??ということがほとんどなんですけどね。でもこれは終わったからわかることであって、わからないものに対して少しでも良いと思っていないものはどんどん悪い方向に考えてしまいます。
このように、動くことにとんでもないエネルギーがないとできないと考えて、守りの姿勢に入っていることがあるのではないのでしょうか。

怖い

怖いと言っても、様々な要因があると思います。一番多いのは失敗するかもしれないというものですね。以前に失敗を経験したことのある人は特にそうです。また失敗するんじゃないか、いや、するに違いない!と自分で自分を洗脳してしまっている場合は、抵抗が強いです。

それ以外に考えられるのは、知ることであったり、変化を恐れるようなケースです。
知る怖さは、「現状を知る」と、「知らないことを知る」の2つに分けられます。「現状を知る」ことについて、こちらは適用できるかどうかを知るために今の状況を知る必要があります。でも、自分にとってもしかしたらすごく都合の悪いことが浮き彫りになるかもしれない、どうなんだろう。という未知の自分を知る怖さがあります。もう1つの「知らないことを知る」についてはプライドとかがありますね。自分が言いだしたから自分が一番知識を持っていないといけないんだ、質問されて答えれなかったときはどうしよう..といった様々なものがあります。たまに知らないことを一向に認めず逆ギレをする人もいますね。そこから気づきを得られたら良いのですが...最終的には現状を知るに繋がるのですが、その前の段階の知らないことを知るのが怖いというものです。これが嫌で避けてしまうこともあるのではないでしょうか。
変化を恐れるケースは、未知のものに足を突っ込む怖さだけでなく、プライドも大きいです。これは本にも書いていましたが、アジャイルは関係性をフラットにすることが重要です。しかし、これまでがむしゃらになって地位を築いてきた人はどうでしょう?後から入ってきた人と急に関係性をフラットにと言われたら。今まで頑張ってきたのが全部水の泡になるじゃないか...と考える人も多くいます。そういった人は自分の地位が変化することへの不安が急に高まるんじゃないでしょうか。 

できない

できないというのは、周りの環境が原因だったりします。変化が必要だとわかっている。だけども現実はそんな簡単にできない。これはよくあります。むしろこういう状況だらけではないかと思います。といっても例はあまり出てこないから、今後出てきたらここにメモを増やしていこうと思います。 

気づかない

そもそも変化が必要だと気づいていないケースです。世の中の情勢はもちろんですが、変化するのはもっと小さなところからでもあります。それは一緒に働いてるチームのメンバーが部署異動等で変わったりするし、メンバーが変わらなくてもメンバー自身の考え方が変わってきていたりします。それは自分自身でも当てはまっていて、以前は正しいと思っていたことがある日突然おかしいのでは...?と違和感を感じることもあります。
人が変化するのは1人1人がお互い相互作用し合っていることが最大の理由です。繋がる範囲が広ければ広いほど相互作用が強くなって変化が激しくなるのは当然。自分で気がついて、それに向き合ったら変化まで一直線ですが、それに対して気づかないふりをしたり、後回しにした人はいつまでも変わりません。また、1度適用できたからと言って、その方法が一生完璧ではありません。しかし、完璧に囚われてしまうと、自分や周りの変化に気づくことができず、更に変化が必要であるということに気づくことができません。

 

 

というように、様々な原因が絡み合ってできない状況に陥っているんじゃないでしょうか。行動を起こせた人も、おそらく多くの不安や壁と闘ったと思います。じゃあ、これをどう打破するのか?

 

楽したい・怖い

「楽したい」と「怖い」については、どちらも保守的な考えです。この状態の原因は、適用した後に来るメリットよりも、そこに至るまでのデメリットのほうが大きいと思っているからではないでしょうか。そのデメリットを避けるために「前の現場ではうまく行っていたから今回も。」「上司に言われたから」というような言葉に任せてしまう。
これを解決するためには、デメリット>メリットではなく、デメリット<メリットにする必要があります。方法としては、デメリットを小さくするのと、メリットを大きくする方法。しかし、デメリットを小さくするためにアプローチをしても、また別のデメリットが浮かんできていたちごっこに...という可能性は大いに有り得るので、一番手っ取り早いのはメリットを大きくすることです。でも先が見えない状態でメリットを大きくするのはとても至難の業です。そういう時こそこの本に書いていたように、顧客を優先することではないかと思います。顧客を真っ先に考えると、それが本当に必要なのかがわかってきて、気づいたら一歩踏み出していた!なんてことになるんじゃないかと思います。つまり、考える対象を自分→届ける相手にシフトするとうまくいくのではないでしょうか。

できない

「できない」については、仕方ないと割り切るか、第3のアプローチを試してみるぐらいですかね。本にも書かれていたけど、今ある現場を受け入れた上でどうするか考える。これが一番手っ取り早い。でも、どうするか考える時点でも障壁があるんじゃないでしょうか。何も出てこないこともあるし、案を出しても別の障害によって潰されてしまったりする。こういう状態の方が多いです。こういうときはどうしましょう?私個人の考えですけど、私だったら「わからんけどとにかくあがいてみる」でしょうね。そこであがかないでどうする!という人もいるかも知れません。でも、あがくことだけが正解とは限らないと思います。今は無理だから、今後状況が変わったらもう一度チャレンジしてみようとか、しばらく寝かせてもう一度考えてみるとか色々あると思います。正解なんてないという言葉がありますが、私は正解は星の数だけ(無数に)あると思ってます。そしてそれぞれの道には絶対に他とは違った学びが得られると思います。だから自分の信じた道を行くことが大切なんですね。それが簡単にできたら苦労はしないんですが。難しいです。

気づかない

「気づかない」についても難しいです。気づくことができたら早いのに...もどかしいです。自分で気づかない場合は、もうどうしようもありません。多分外からの刺激が手っ取り早いでしょうね。それは人でもいいし、本でもいいし、何気ないいつものルーチンの中でも。なんでも良いけど、そこからふと思ったことがあったらそれは気づきじゃないでしょうか?その気付きを受け流さずに受容することができたら、それはもう一歩踏み出している状態です。

 

 

まとめ

今回は本の感想というよりは、本に書いている内容を実践するのにどんな考えが巡っているのか、について書き出しました。かなり脱線してしまいました^^; でもこういったことを考えることは重要じゃないかなと最近は思います。その人(あるいは自分が)何を考えているか冷静に見ることができるし、何よりその人が考えていることを受け入れやすくなるんじゃないかなって。

 

本を読んだだけなのにこれからももっと意識して見ていこうと考えられるものが見つかったのは本当に良かったと思います。この本に感謝です。そしてアトラクタさんには土下座です。